「杉並の日本ミツバチを守ろう!」活動報告

 活動について杉並区環境課の協力を得られることが決定。つまりは区民からミツバチの駆除や保護の依頼があった場合、弊社を区民に紹介してくれるというもの。事実上の協働ということになる。たいへんありがたい。

 4月13日、環境課の紹介を受けた区民からさっそく初めての駆除依頼。
場所は杉並区東部の住宅地。「街路樹の根元にミツバチが集まっている。近くに保育園があり危険だから何とかしてほしい」とのこと。現場に急ぐと貼り紙のされた街路樹はすぐにそれとわかった。そばにはニホンミツバチのおびただしい死骸が。依頼者はすぐ前に住む女性。彼女は前夜、近所の人が「羽蟻」と言うのを真に受けて殺虫剤をかけたらしい。ところがその際、後頭部を刺されてミツバチであることに気づいたという。ニホンミツバチが貴重な生き物であることを知っていたので区役所に相談したとのこと。殺虫剤をかけたことをひどく後悔しておられた。

 なんとか生かしてあげたいと思うが、女王蜂が死んでいれば捕獲しても群は生存できない。生きていても殺虫剤の影響で弱っていく可能性もある。かなりハチの数が減っているので健全な群としての保護は半ば諦めたが放置するわけにはいかない。そこは保育園の通園路になっていて夕方の送り迎えの時間が迫っていた。とにかく捕獲できるぶんをダンボール箱に収容する。小さくなったハチのかたまりをハケで少しずつ移していると女王蜂を発見。「もしかして救えるか…」と、かすかな期待も。

 ニホンミツバチは街路樹の裂け目に入り込んでいて、一回で全部を収容することは難しかった。結局2時間後にあらためて残りのハチを可能な限り捕獲して終了。念のため一回目、二回目のハチを入れたダンボール箱は分けておいた。

 翌朝、登録一番目の里親さん宅へニホンミツバチを持って行き巣箱に移したものの、二回目に収容したハチたちはダンボール箱の中で息絶えていた。殺虫剤をかけられた箇所にいたところを収容したので薬剤に暴露したハチも入ってしまったのが原因か。昨夜まではとても元気だったが。もし吸引機器(掃除機を改造したもの)を使って全部をまとめて捕獲していたらすべてのハチに薬剤が回ってしまい全滅であったろう。殺虫剤をかけられたケースの貴重な教訓となった。

 移入した群は新しい巣箱に定着したかに見えたが、翌日午後に逃去した。しばらくは近くの木に滞留していたため、違う巣箱を用意して再度捕獲しようとしたが、その間(1時間ほど)に里親さん宅から完全に逃げ去った。

 巣箱に定着させられなかったのは残念だが、ニホンミツバチの「保護」という主目的は達成した。この里親さん宅は公園のそばで周囲には蜜源植物も多く、群が生きるには好適である。「差し入れ」しておいたコップ一杯ほどの砂糖水も飲み、逃げ去る前にしっかり小さな蜂球を作っていたのが嬉しくもあり。女王蜂が健在で群の統制が取れていた証でもある。ニホンミツバチが元気でいたことを里親さんも喜んでおられた。その後、付近の人から駆除依頼はない。どこかに安住の地を見つけ健やかに暮らしていることを願うばかりである。
 4月の捕獲および保護の活動は以上一件のみでした。

「杉並の日本ミツバチを守ろう!」活動報告」への2件のフィードバック

  1. 営巣群を他のところに定着させるのは、分蜂群を定着させるのより難しそうですね。

    • そうですね。少し巣板が天井にできていましたが途中で止めて逃げました。単純に嫌がって逃げたのでもないようです。人智はおよびません。(笑)

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